「彼女が最後に見たものは」 まさきとしか

仲の良い、センスのよい後輩に紹介されたお話。

彼女が最後に見たものは

あらすじ

クリスマスイブの夜、新宿区の空きビルで女性の遺体が発見された。着衣は乱れ、身元不明。風変りな刑事三ツ矢と純粋な若手刑事田所がコンビを組み、捜査に当たる。

そして、女性の指紋が、未解決事件の現場で採取された指紋と一致。二つの不可解な事件はつながり、様々な人の人生が関わってくるこの事件。真実が明かされるたび、見えてくる景色が一変する。

幸せとは何かを問うミステリー小説。

感想

2日で読み終わりました。時間でいうと3時間ぐらいかな。

このお話、登場人物が本当に多い。そして一人ひとりが重要な役割をもっている。また、時間の流れも行ったり来たりなので、しっかり読まないと理解することが難しい。

でも、読み応えがあり、話が少し進むごとに感じることがあり、面白い。ミステリー好きな人にはたまらないだろうなー。

人から見える幸せを重視する人、自分の幸せを信じ周りにそれを見せつけようとする人、過去の行為や家族の行いから幸せを恐れる人。個性豊かな、しかしどこにでもいそうな人たちの思いが絡み合って事件が起こり、事件が解決していく感じが好きだったー。

※ここから、ネタバレを含みます。

クリスマスイブの死、下着の乱れ、ホームレス、旦那の死…どれをとっても主人公、松波郁子の不幸を憐れんでしまいました。他の登場人物たちもそう。「松波さんはかわいそう」

そう思っていた話の序盤。しかし、孤独を背負う様々な登場人物に足りないものを彼女はもっていました。家族がいなくても、お金も何もなくても、いつも気にかけてくれる人たち、守ろうしてくれる人たち、思ってくれる人たちがいる。そして、自分が命を懸けても守りたいものがある。

自分が幸せじゃないと思ったとき、もう一回読みたいかな。

「幸せとは何か」暇なとき、かんがえよー